AWS ソリューションアーキテクトアソシエイト (SAA-C02) 合格体験記
今回はAWS Solutions Architect Associate の受験から合格までの学習方法や試験の形式などについて説明します。本記事は2020年8月20日の記事であり、現在はAWS SAA-C03 となっているため、出題範囲など異なる場合があるためご注意ください。
AWS Solutions Architect Associateとは
AWS Solutions Architect Associate (以下AWS SAA) とは、AWS における分散システムの可用性、コスト効率、耐障害性、スケーラビリティ、セキュリティ等に関する知識や設計を証明する資格です。
AWS 認定の中では人気の資格であり、開発担当のシステムエンジニアやインフラエンジニア、提案や導入を行うプリセールスエンジニア等、幅広い職種の方が取得しています。AWS 関連の開発等の仕事に就くための証明に使うことができる資格ため、AWS 関連のお仕事に就きたい方は取得しておくと多少は有利になると思います。
AWS SAA の有効期限は合格した日から3年です。資格を再認定するためには期間内に上位の資格に合格するか、再度同じ試験を受験し合格することで資格を再認定できます。
勉強期間・受験日について
AWS SAA取得のために勉強した期間、受験日については以下のとおりです。
勉強期間 | 6月20日~8月18日(約2ヶ月) |
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試験1回目 | 8月1日(土) |
試験2回目 | 8月19日(水) |
使用した教材について
今回のAWS SAA 取得に使用した教材は以下のとおりです。
AWSの製品説明ページ
AWSの各種サービスの概要や特徴、料金体系等を学べます。SAAの範囲となっているサービスの特徴等を学ぶために参考となるページです。各サービスのユースケースやよくある質問も参考になる内容が含まれているため、有名なサービスについては1度は読んでおきましょう。
アマゾン ウェブ サービス(AWS)の実践的なチュートリアル
AWSサービスの基本的な使い方をハンズオンで学べるページです。手を動かしながら各種サービスの使い方を学ぶために参考となるページです。基本的なサービスの組み合わせや設定手順を学ぶことができるため、手を動かす学習にはとても良いです。
AWS サービス別資料
AWS Black Belt で発表されたスライドです。各種サービスの概要や使い方、ユースケースがスライドでまとめられており、AWS の各種サービスの機能を学ぶために参考となるページです。
ホワイトペーパー | AWS
AWS のベストプラクティスとされるWell-Architected フレームワーク等に関するページです。AWS の各種サービスの設計に関する考え方を学ぶのに参考となるページです。試験ではベストプラクティスに即した内容のサービスの使い方を問われたりするため、1度は必ず読んでおきましょう。
AWS ドキュメント
AWS の各種サービスのドキュメントです。サービスの概要だけではなく、基本的な設定手順、詳細な機能等を勉強するために参考となります。参考書やBlack Beltを読んだ後にもう少し深いところまで勉強する時に役立ちます。1つ1つの内容はボリュームがあるため、必要なところを読んでいくと良いでしょう。
AWS 認定資格試験テキスト AWS 認定 ソリューションアーキテクト-アソシエイト
AWS SAAの対策本です。試験範囲は2018年対応の試験範囲ですが、説明が分かりやすくAWSを全く触ったことがないという人が基本的なサービスの概要を知るためには参考になる本です。この参考書で基本的なサービスの概要を理解した後にBlack Beltやホワイトペーパー、ドキュメントを読んでいくと理解が深まるかと思います。
一夜漬け AWS 認定ソリューションアーキテクト アソシエイト 直前対策テキスト
AWS SAA の試験直前の対策本です。タイトルの通り、試験直前の対策本のため基本的なサービスの使い方等は記載されておらず、サービスの組み合わせ方、コストの最適な使い方等、試験で出題されそうな内容に絞った本となります。試験の直前で補完するためには良い本かと思います。
【SAA-C02版】AWS 認定ソリューションアーキテクト アソシエイト模擬試験問題集(6回分390問)
https://www.udemy.com/course/aws-knan/
UdemyのSAA 模擬試験問題集です。130分で65問を解く本番の感覚を掴むために良い問題集です。試験の感覚を掴むには良いですが、問題内容の丸暗記にならないように注意が必要です。
勉強法について
AWS SAA を2回受験して、おすすめする勉強方法は以下のとおりです。
サービスを実際に使ってみる
AWS SAA 試験だけではありませんが、特定のサービスに関する資格試験はサービスを使ったことがないと厳しいです。試験でも、実際に設定を行っていないとわからない問題も確認しているため、基本的な設定方法から応用までできるようにしておきましょう。
AWS は公式がチュートリアルを出していたり、ドキュメントで基本的な設定手順が掲載されているため、そちらに沿って設定を行うだけでもサービスの理解度は変わってきます。
また、AWS は1年間の無料枠があるため、基本的なサービスを学習目的で使用する程度であればそこまで料金はかかりません。ただし、ハンズオンした後は各リソース等のクリーンアップを忘れないようにしてください。
ある程度サービスを使いAWSに慣れてきたら、各サービスで作成時(設定時)にどのようなパラメータを設定できるのかを覚えていきます。このパラメータは○○するためのパラメータで△△の時に使う、というところまで説明できれば大丈夫かと思います。
最終的にはよく使われるサービスは何も見ずに手を動かして設定できるのが理想です。
公式が提供しているドキュメントを中心に勉強する
AWSでは、各サービスのドキュメント、ベストプラクティスをまとめたホワイトペーパー、各サービスの概要をまとめたBlack Belt セミナー等の資料が充実しています。
AWS SAA 対策用の書籍でもサービスの概要を勉強できますが、試験対策となるとどうしても足りない部分が出てきます。足りない部分を補うためには、公式が提供しているドキュメント類を使い勉強する必要があります。試験では、有名なサービスの深いところを出題されたりするため、有名なサービスについてはよく読み込んでおくと良いでしょう。
参考書を1周したところで各サービスのBlack Belt セミナーのスライド、Well-Architected 等のホワイトペーパー、ドキュメントを読んでいくとAWS への理解が深まります。特に各サービスの組み合わせ方やユースケース、パフォーマンスや可用性、セキュリティ要件、コスト削減等を重視した使い方は試験でも問われる内容のため、公式のドキュメント類を活用し学んでいきましょう。
管理人は公式の提供しているドキュメント類を何周かして覚えていきました。初めは量が多く大変に感じますが、サービスの使い方に慣れてくると読むスピードも上がるためそこまで苦になりませんでした。
参考書・Web問題集は感覚を掴む用に使う
AWS SAA試験はケーススタディ試験のため、1問あたりの問題文は長めです。問題の選択肢に関しては、特定のサービスで○○を設定する、○○と△△を使う、といった単純な答えの問題は少なめです。少しでも試験に近い感覚を掴むためには参考書の巻末にある模擬問題やUdemyの模擬問題集で慣れるのが良いでしょう。
模擬問題を使い始めるのは、サービスについてある程度理解をしたあたりが良いでしょう。模擬問題を解くことにより、インプットした内容のアウトプットにもなるため、サービスの理解がより深まります。
ただし、模擬問題はあくまで試験を想定した問題であり、そのままの内容が出題されるわけではありません。そのため、試験の感覚を掴む程度に留めておきましょう。
試験について
試験1回目
8月1日(土)、いつものテストセンターで予約が取れなかったため、少し離れたテストセンターで受験しました。CBT 試験は他の試験でも慣れているため、受付の手続きは簡単に済ませPC の前に着席しました。同じ会場内でAWS SAA を受験する人は数人いた気がします。
試験は130分で65問を解く試験のため、見直し等を含めても1問あたり1分半くらいで回答しないといけない計算になります。
1回目の試験の内容は全体的に王道な内容の問題が多かった印象です。特に有名なサービスについては実際に手を動かしていないとわからないような応用問題が多かった印象です。また、文章が少し曖昧なためにどちらを選べばいいのだろうか、みたいな問題も数問ありました。
試験時間に関しては、見直しも含めて残り1分くらいで全て終わりました。1問あたりの問題文が長いことや即答できる問題が少なかったため時間がかかりました。
AWS SAA では、試験終了後のアンケートが終わった後に合否が表示されます。1回目の試験では残念ながら不合格でした。
1回目の不合格の原因は以下のとおりと思われます。
- サービスを十分に触っていなかった
- 問題集や参考書を過信して、各サービスを浅く広く勉強してしまった
試験の結果を見る限り、全く合格に届かない点数ではないため、2回目の試験までにダメだったところを勉強し直しました。
試験2回目
8月19日(水)、今回はいつものテストセンターで受験しました。平日の午前中ということで、周りを見たところ5、6人程度でした。
2回目の試験も1回目同様に王道な内容が多かった印象です。今回はダメだった部分を重点的に対策した結果、応用的な問題に対してもそこそこ対応できていたと思います。1回目と比較するとパフォーマンス関連が少々難しく感じ、セキュリティ関連が易しめだったかな、という印象でした。
2回目の試験時間に関しては、見直しも含めて残り5分で終了となりました。1回目と同様の理由でギリギリまで時間がかかりました。
アンケート終了のボタンを押す前にお祈りをしてからボタンをクリックしたところ、結果欄に合格の文字を確認しました。
試験結果
AWS SAAの試験結果は以下のとおりです。AWS SAAは720点以上で合格となります。
試験1回目 | 680/1000 |
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試験2回目 | 809/1000 |
AWS SAAのスコアレポートでは他の資格試験とは違い、どの分野でどの程度正解したか等は表記されません。不合格時のスコアレポートでは、「セキュアなアプリケーションとアーキテクチャの設計」「コスト最適化のアーキテクチャの設計」が「再学習の必要あり」でしたが、合格時のスコアレポートでは、どの分野も「十分な知識を有する」にマーキングされているだけでした。
これからAWS SAA を受験する人へ
AWS SAA はバージョンが変わって難しくなったとも言われますが、勉強方法や対策の仕方を間違わなければ合格できる試験だと思います。管理人はAWSやサーバ・ネットワークの設計・構築等の実務経験もありませんがAWS SAA に合格しました。
ベンダー試験によっては、参考書やWebの問題集だけで合格できるという資格もありますが、実際にサービスが使えることを目的としているAWS SAA 試験ではその考えだと厳しいと感じました。
勉強法でも書いたとおり、実際にサービスを動かすこと、公式のドキュメント類を徹底的に読み込み、AWS を使いこなせるようにすることが合格への一番の近道かと思います。
これからAWS SAA を受験する人には、この勉強法が参考となって1回で合格していただければ幸いです。