AWS SysOps Administrator Associate 合格体験記
今回はAWS SysOps Administrator Associate の受験から合格までの学習方法や試験の形式などについて説明します。本記事は2020年11月8日の記事であり、現在はAWS SOA-C02 で出題範囲、試験形式など異なる場合があるためご注意ください。
AWS SysOps Administrator Associateとは
AWS 認定 SysOps アドミニストレーター – アソシエイト
AWS SysOps Administrator は、AWSの開発、管理、運用に関するスキルを証明する資格です。主にAWSの管理・運用に関する内容を中心に問われる内容の試験であり、AWSの管理・運用の知識・スキルの証明となります。試験範囲は、マネジメントとガバナンス、セキュリティ等のサービスを中心としたAWSの管理・運用全般となります。また、サービスだけでなく、コストの管理やAWSのサポート等も範囲に含まれるため、実践的な内容の多い試験となっています。
使用した教材
今回、AWS SysOps Administrator Associate受験に使用した教材は以下のとおりです。
サービス別資料 | AWS クラウドサービス活用資料集
AWS公式が提供しているサービスの概要を解説したBlack Beltの資料です。試験範囲となるサービスの概要を勉強するために使用しました。
AWS ドキュメント
AWS公式のドキュメントです。詳細な知識や使用方法について勉強するために使用しました。
AWS 認定SysOpsアドミニストレーター アソシエイト模擬試験問題集(全4回分260問) | Udemy
Udemyで提供しているAWS SysOps Administrator Associateの模擬試験問題集です。試験範囲や問題の傾向を把握するために使用しました。
AWS SysOps Administrator Associate 模擬試験
AWS公式が提供している模擬試験です。本番試験の問題の感覚を掴むために使いました。
勉強期間
勉強期間は約1ヶ月と1週間程度です。実務でAWSの管理・運用のサービスを使用している方であれば同じ期間かもう少し早く取得できるかもしれません。AWSサービスをまだあまり使用していない方や他のAWS資格を持っていない方であれば、余裕を持って2ヶ月程度勉強して受験するのが良いかと思います。
勉強方法
管理人はSysOps Administrator Associate受験に向けて、以下の順番で勉強しました。
1. 試験範囲の把握
初めにSysOps Administrator Associateの試験範囲を確認し、どのようなサービスが使用されるか、どのような問題が出題されるかを確認します。認定試験のページから試験ガイドとサンプル問題をダウンロードすることができるため、こちらを確認し勉強範囲等を把握します。
メインとなるAWSサービスは以下のとおりです。
- コンピューティング
- ストレージ
- データベース
- 移行と転送
- ネットワーキングとコンテンツ配信
- 管理とガバナンス
- セキュリティ、ID、およびコンプライアンス
- アプリケーション統合
- AWS コスト管理
- コンテナ
2. Black Belt資料でサービスの概要を把握
試験範囲の把握を行った後、Black Belt資料でサービスの概要を理解します。試験範囲が広く、該当サービスのスライドを読むには時間がかかりますが、インターネット環境があれば見ることができるため、通勤時間や空き時間にスマートフォン等を使い勉強するのがおすすめです。
Black Belt資料で、このサービスではどのようなことができる、というのを事前に理解しておくことで、実際にサービスを使って身につける部分やドキュメントの内容の把握で役に立ちます。
3. サービスを実際に使う、公式ドキュメントを読む
AWSの認定試験では、サービスを実際に使用していないと分からない問題が出題されます。特にSysOps Administrator AssociateはAWSに関するトラブルシューティングや実際に管理・運用を想定した問題が出題されるため、サービスの概要を覚えているだけ、手順を覚えているだけ、で合格するのは難しいです。
Black Beltで試験範囲のサービスの概要を把握したら、実際にAWSサービスを利用して「どのような設定ができるか」「こういう設定をしたらどうなるか」を試していきます。時には意図的にエラーとなるように設定してみたり、途中の手順を抜かして設定してどうなるか、等いろいろなパターンを試しておくと本番の試験でも役に立ちます。
実際に手を動かしていると、細かい部分で分からないことが出てくるため、公式のドキュメントを使用して理解していきます。ドキュメントはボリュームが多いため、全て読もうとすると膨大な時間がかかってしまいます。そのため、ドキュメントを読む際は必要な箇所をピックアップしながら読んでいきましょう。
また、サービスによってはドキュメントの中にトラブルシューティングの項目がありますので、こちらも確認しておくと役に立ちます。
最近では、AWSサービスのハンズオンとしてウェビナーを開催しているところもありますので、connpass等で探して参加するのも勉強になります。
4. Udemyの模擬問題集、公式の模擬テストをする
Black Belt、手を動かしてサービスを理解、ドキュメントを読む等してある程度身についたら、試験の感覚を掴んだり理解を深めるために問題集の問題を解いていきます。
本番の試験では、130分で65問の問題を解きます。AWSの認定試験では問題文の長い問題が多く、試験の形式に慣れておかないと本番試験で時間が足りないということが起きてしまいます。そこで、本番を想定した問題集を通してみることで、本番の試験の感覚が身に付きます。
Udemyの模擬問題集に関しては、若干難しく作られているため、最初は全然解けなくても大丈夫です。管理人も初めて問題集をやった時は平均50%くらいでした。
ある程度理解が進んだら、公式の模擬テストを受けてみるのも良いです。こちらはUdemyと違い、1回限りですが本番の問題に一番近い内容となっているため、余裕があれば受けてみると良いでしょう。
問題集で勉強する際の注意点としては、答えの丸暗記をしないことです。なぜこの選択肢が正解なのか、この選択肢では○○という理由で要件を達成できない、等の論理的な理由付けに慣れておくと、本番の試験でも消去法を使い答えを出していくことができます。
5. 模擬問題集、模擬テストで足りない部分を補強する
Udemyの模擬問題、公式の模擬テストが終わったところで、全体の概要を再度復習したり、知識等の定着が弱い部分を重点的に勉強します。Black Beltやドキュメント等を再度読んだりしても良いですし、より手を動かしながらサービスを使いこなせるようにしていくと良いです。
試験本番について
11月7日(土)に都内の試験センターで受験しました。春~夏の頃と比較するとテストセンターの予約は取りやすくなった印象です。
試験内容
AWS Solution Architect Associateと比較すると、実際に手を動かして試していないと分からない問題が多かった印象です。特にトラブルシューティング系の問題では、「○○というエラーが出た、原因と対処法は?」や「設定したがうまくいかない、どこを見ればよいか?」といった実践的な内容が多かったです。管理・運用手順も具体的なことや応用を問われる問題が中心でした。
AWS SysOps Administrator Associateは管理・運用の試験のため管理とガバナンス、セキュリティ、ID、およびコンプライアンス関係のサービスはしつこく狙われた印象でした。上記以外にもコストの管理や請求に関する内容もいくつか見られました。試験範囲にAWS CLIについても少し触れられていましたが、CLIの問題についてはほとんど見ませんでした。
試験時間
今回の試験では、見直しも含めて15分程度時間を残し終了となりました。問題文が長く答えに悩む問題が多かったため時間がかかりました。AWSの認定試験は分からない問題を後回しにできるため、悩む問題や分からない問題を一度飛ばし、全ての問題を見終わった後に答える、という方法を取っていくと時間を短縮することができます。
試験結果
試験結果は以下のとおりです。
点数 | 782点 |
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結果 | 合格 |
AWS SysOps Administrator Associateの合格点は720点以上のため、なんとか合格しました。AWSの認定試験では、試験終了後のアンケートが終わった後に合格もしくは不合格が表示されます。詳細な点数については、試験終了後の5営業日以内にメールが届きますので、そちらが届きましたらスコアレポートをダウンロードできるようになります。
まとめ
全体的な感想としては、AWS Solution Architect Associateと比較して難しいと感じました。管理・運用は実務で実際に行っていないとイメージが掴みにくいため、AWSの実務経験の無い管理人は苦労しました。ただ、AWSの実務経験が無くても、実際の管理・運用を想定したり、このサービスはこんな感じで使えるかな、というのを考えながら使い込むことで合格は可能だと思います。
これからAWS SysOps Administrator Associateを受験する人の参考となり合格していただければ幸いです。