Designing and Implementing Microsoft Azure Networking Solutions (AZ-700) 合格体験記
今回はMicrosoft の認定資格・Designing and Implementing Microsoft Azure Networking Solutions (AZ-700) の受験から合格までの学習方法や試験形式などについて説明します。本記事は2023年3月25日の記事であり、時間経過により一部出題範囲や用語など異なる場合があるためご注意ください。
Designing and Implementing Microsoft Azure Networking Solutions (AZ-700)とは
試験 AZ-700: Microsoft Azure ネットワーク ソリューションの設計と実装
Designing and Implementing Microsoft Azure Networking Solutions (AZ-700) はAzure のネットワークサービスソリューションの計画・実装・管理に関する試験です。Azure の資格試験の中でもネットワークサービスに焦点を当てた内容となっています。AZ-104 などの資格取得後にAzure のネットワークサービスについて更に体系的な知識を取得したい方におすすめです。
AZ-700 はAssociate レベルの試験とされており、Azure Network Engineer Associate 取得の要件とされています。
試験範囲
AZ-700 の試験範囲は以下URL から確認できます (英語)
Study guide for Exam AZ-700: Designing and Implementing Microsoft Azure Networking Solutions
受験料
AZ-700 の受験料は23,213円 (税込) です (2023年03月25日現在)
使用教材・サイト
AZ-700 取得のために使用した教材は以下の通りです。
- MS Learn
- 公式ドキュメント
- Microsoft 公式問題集 (英語)
MS Learn
AZ-700 の学習に使用したMS Learn は以下モジュールとなります。
- Azure 仮想ネットワークの概要
- ハイブリッド ネットワークを設計して実装する
- Azure ExpressRoute を設計して実装する
- Azure での非 HTTP(S) トラフィックの負荷分散
- Azure での HTTP(S) トラフィックの負荷分散
- ネットワーク セキュリティを設計して実装する
- Azure サービスへのプライベート アクセスの設計と実装
- ネットワーク監視を設計して実装する
公式ドキュメント
AZ-700 の試験範囲に出るサービスの詳細や基本的な操作方法を理解するために公式ドキュメントを使用します。
■ Microsoft 公式問題集 (英語)
Microsoft 公式が提供しているAZ-700 の問題集です。基本的な知識がついた後、試験形式の問題に慣れるために使用します。
Microsoft Practice Test AZ-700: Designing and Implementing Azure Networking Solutions
勉強期間
勉強期間は他の学習や実際にサービスを触るなど行っていたため2ヶ月程度かけました。内訳は平日は1~2時間、休日は3時間程度学習しました。Azure に関する実務経験やAZ-104 の資格取得後である程度基礎知識がある方はもう少し短い期間で取得できるかと思います。
勉強方法
AZ-700 の学習は以下の流れで実施しました。
- 試験範囲の把握
- AZ-700 のMS Learn を一通り実施する
- Microsoft 公式問題集をやる
- 公式ドキュメントを読みながらAZ-700 に関連するサービスを触る
- 3、4 を繰り返す
試験範囲の把握
初めにAZ-700 の試験範囲や試験で問われる観点を確認します。試験範囲を事前に把握することで、学習ポイントを絞ることができます。試験範囲の項目で記載したURL から以下の点をチェックしておきましょう。
- 試験で問われる知識・観点
- 試験で問われるAzure サービス
AZ-700 のMS Learn を一通り実施する
試験範囲を把握後、AZ-700 に関連するMS Learn で学習します。試験範囲のAzure サービスの基礎知識や基本的な操作についてはここで学べます。MS Learn 内では演習もあるため、演習に沿って手を動かすことで基本的な操作も学習できます。MS Learn に関しては試験範囲のサービスを把握する程度とします。
Microsoft 公式問題集をやる
MS Learn で基本的な知識を学習後、Microsoft の公式問題集を行います。値段は高いですが、解説の記載や公式ドキュメントのどのあたりを読めば良いか丁寧に記載されているため、実践的な学習ができます。1周目は全く解けなくても、試験範囲内で理解している、理解していない分野やサービスがどこなのかを把握することが大事です。2周目以降は、なぜそのような答えになるのか、この選択肢はなぜ違うのかを理解した上で解けるように学習していきます。ただし、問題集は試験で考えること、問題文のどの点を読み取れば良いかを学ぶものであり、問題集の丸暗記にならないように注意が必要です。
公式ドキュメントを読みながらAZ-700 に関連するサービスを触る
1回目の問題集で理解の浅い部分に対し、公式ドキュメントを読む、実際にサービスを利用して理解を深めます。公式ドキュメントはすべて読むと膨大な量になるため、要点を絞って読むようにします。また、公式ドキュメントのチュートリアルは基本的な操作を理解するには良いため、手を動かす際は初めにやっておくと理解が深まります。チュートリアルで基本的な操作を理解した後は、様々なパターンを組み合わせたサービスの動作を確認していきます。例えば、同じサブネット内での通信はどうなるか、NSG やサービスエンドポイントなどを複数組み合わせたらどうなるか、など複数のサービスや組み合わせを試します。
3、4 を繰り返す
一連の流れを実施後、Microsoft 公式問題集と公式ドキュメント、実際にサービスを触り理解を深めていきます。公式ドキュメントだけではイメージが掴みにくい部分は関連するサービスのブログ等を確認し試験の準備を進めます。
試験本番
2023年3月25日 (土) に都内の某テストセンターで受験しました。
試験時間は120分、問題はケーススタディ1題と一般問題、シナリオ1題の計42問でした。問題数は受験者ごとに前後するためあくまで目安として捉えてください。合格点は700点以上で、ケーススタディ問題は完了ボタンを押した後に戻ることができず、シナリオ問題は回答後に戻ることができないため注意が必要です。
具体的な問題は掲載できませんが、複雑な構成の問題は少なく、各サービスの基本的な知識を問う問題が多かった印象です。要件を満たすためにどのようなサービスを使えば良いか、SKUによる機能の違い、構成内容での挙動の確認、など各サービスを実際に利用して試していれば解ける内容が多かったです。
試験問題を解く際は以下の点を意識しました。
- 選択肢は消去法で考える。
- 確信を持って答えられない問題、2分以上悩む問題は見直しチェックをつける。
- 複数のサービスを組み合わせる問題はメモ用紙に簡易的な構成図を書く。
試験時間については、見直しを含め40分程度残して終了しました。ケーススタディの問題が他のAzure 試験より多めな印象のため、最初で時間を使ってしまうと後が辛くなります。ただ、一般問題でそこまで時間がかからなかったため、試験全体では想定より早く終わりました。
試験結果
試験結果は以下の通りです。
点数 | 888点 |
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結果 | 合格 |
試験セクションの成績は、詳細な割合を出すことができないため割愛します。
まとめ・所感
AZ-700 を勉強し、Azure のネットワークサービスの基本的な設計・構築・運用を学習できました。特に、ネットワークを意識した構成を考えたり、ネットワークセキュリティの観点が身についたことで、Azure における設計・構築時の視点が広がりました。また、AZ-104 のネットワーク部分と試験範囲が重複するサービスもあるため、個人的にはAZ-104 合格後にAZ-700 の取得を目指すとスムーズにステップアップできます。
今回の合格体験記が皆様の参考と慣れば幸いです。