AWS Certificated Developer Associate 合格体験記
今回はAWS Certificated Developer Associate の受験から合格までの学習方法や試験の形式などについて説明します。本記事は2021年1月17日の記事であり、現在はAWS DVA-C02 で出題範囲、試験形式など異なる場合があるためご注意ください。
AWS Certificated Developer Associateとは
AWS Certificated Developer Associate(AWS DVA)とは、AWSを使用したアプリケーションの開発に関するサービスのスキルを証明する資格です。主にAWS上のコンピューティングサービスやサーバーレスサービス、SDKを使用した開発やビルド、デプロイを含めたCI/CDサービス、アプリケーション環境の展開が範囲となります。アプリケーションのビルドやデプロイ、コンテナ、CI/CD、サーバーレス開発に関する知識等、AWSで開発を行うために必要な知識・スキルを問われる試験となっています。
使用した教材
今回、AWS Developer Associate を受験するにあたり使用した教材は以下の通りです。
AWS 認定試験に備える
こちらの「AWS認定アソシエイトレベル」の欄からDeveloper Associateに関する試験範囲やAWSホワイトペーパーおよびよくある質問を読む、から試験範囲の概要や基本的なことを勉強しました。特に各サービスのよくある質問はサービスの概要をある程度知った後に読むと、細かい知識の補強になるためおすすめです。
サービス別資料
AWS Black Beltで使用されたサービス別の資料です。各サービスの概要や基本的な用語、ユースケース等を勉強できます。時間に余裕があれば動画で視聴するのを推奨しますが、スライドを流し見するだけでも勉強になります。使用したことのないサービスはこちらの資料で基礎を固めると良いです。
AWSドキュメント
AWSの各サービスのドキュメントです。試験範囲のドキュメント全てを読もうとすると時間がかかってしまうため、必要な部分だけ読むのをおすすめします。試験では各サービスの細かい部分や応用的な使い方、トラブルシューティングといったものが出題されるため、サービスを深く知るために読んでおくと良いです。
実践的チュートリアル
AWSが提供している実践的チュートリアル資料です。試験範囲のサービスの簡単なハンズオンを行うことができるため、サービスの使い方や設定方法の流れ、どのようにサービスを組み合わせるかを掴むのにおすすめです。
Developers.IO: クラスメソッド発「やってみた」系技術メディア
AWSで有名なクラスメソッドさんのやってみた系ブログです。ハンズオン形式でできるため、各種サービスの基本的な設定方法や組み合わせ、応用的な使い方等を勉強するのにおすすめです。
AWS 認定デベロッパー アソシエイト模擬試験問題集(5回分325問)
Udemyで提供されているAWS Developer Associate の模擬問題集です。有料ですが試験の傾向や感覚を掴むのに良い問題集です。Udemyはよくセールを行ったりするため、セール時に問題集を購入しておくと安く済みます。
AWS Developer Associate模擬試験
AWSが提供している本番の試験を想定した模擬試験です。有料で問題は20問と少なめですが、本番の試験レベルの問題を解くことができるため、お金に余裕があれば受けると良いです。
勉強期間
今回、AWS Developer Associateの受験で勉強した期間は約1ヶ月半です。AWSを使用した開発経験やインフラ周りの経験が無い、他のAWS Associate資格を取得していないという方であれば、2ヶ月から2ヶ月半程度余裕を持って勉強したほうが良いかと思います。既にAWSを使用した実務経験等があり、関連するサービスに慣れている方であれば、1ヶ月程度で合格できるかと思います。
勉強方法
AWS Developer Associate取得に向けて、以下の流れで勉強しました。
1.試験範囲の把握
初めにAWS Developer Associateの試験範囲の確認します。どのようなサービスを使用するのか、試験問題はどのようなことを聞かれるのか、等を確認します。認定試験のページから試験ガイドとサンプル問題をダウンロードできるため、こちらを確認し勉強範囲や傾向を把握します。
AWS Developer Associateでメインとなるサービスは以下の通りです。☆マークのサービスは、重点的に勉強しておいたほうが良いと個人的に思います。
- EC2 ☆
- Lambda ☆
- SAM ☆
- ECS ☆
- Elastic Beanstalk ☆
- EBS
- EFS
- S3(Glacier含む) ☆
- RDS(Aurora含む) ☆
- DynamoDB ☆
- ElastiCache ☆
- VPC
- CloudFront ☆
- Route 53
- API Gateway ☆
- CodeCommit
- CodeBuild ☆
- CodeDeploy ☆
- CodePipeline ☆
- CodeStar
- X-Ray ☆
- AWS Organizations
- CloudWatch ☆
- AWS Auto Sacling ☆
- CloudFormation ☆
- CloudTrail
- OpsWorks
- Systems Manager
- Kinesis ☆
- IAM ☆
- Cognito ☆
- Secrets Manager
- KMS ☆
- AppSync
- Step Functions ☆
- SNS ☆
- SQS ☆
- 各種SDK
2.Black Belt資料でサービスの概要を把握する
試験範囲を把握したら、出題範囲のサービスがどのようなサービスかを把握します。Black Belt資料は各サービスの概要や用語についてスライドでまとめられているため、スライドを流し見するだけでも勉強になります。
一度で全ての用語や機能を覚えようとすると大変なため、一回目は軽く流す程度で確認しました。
3.手を動かしてサービスを使う、公式のハンズオン等をやる
AWSの試験では各種サービスを使用した応用的な問題や実際に操作していないと分からない問題がよく出題されます。そのため、試験範囲のサービスを使用しながら勉強しましょう。
手を動かしながらサービスを使う際のポイントは以下の通りです。
- サービスでどのような設定ができるか、実際に設定してみるとどうなるかを見る
- サービスを使用するための前提・必須条件や設定条件を知る
- 複数のサービスを組み合わせる時に必要な設定手順を知る
- エラーが出た際の原因、解決方法を知る
また、手を動かす際には公式のハンズオン資料やドキュメントのチュートリアル、クラスメソッドさんのブログが役に立つため、こちらに沿って勉強するとサービスの流れや応用的なことも勉強できるのでおすすめです。
4.Udemyの模擬問題集をやる、苦手な部分を補強する
試験範囲の内容で多少触れたら、試験の感覚を掴むためにUdemyの模擬問題集をやってみます。最初は全然取れなくても大丈夫ですので、間違えた問題や迷った問題の解説を読み込み理解を深めていきます。
試験範囲の問題集をやってみて、特定の分野やサービスで間違いが多い、悩むことが多い等の弱点が見えたら、その部分を補強していきます。Black Belt資料を読み直すのも良いですし、足りない部分があればドキュメントの必要な部分を読んでみる、サービスをもっと使ってみる、等で知識や技術を深めていきます。最終的に、この選択肢はなぜ違うのか、まで理解できれば良いです。
問題集に関しては、あくまで試験の感覚や傾向を掴むためですので、問題集の丸暗記にならないように注意が必要です。多くても3周程度を目安にしておきます。
5.公式の模擬試験をやる、最後の追い込み
ある程度自信がついてきたら、AWS公式が提供している模擬試験を受けてみます。有料で1回20問と少なめですが、本番の試験と同じレベルの問題を解くことができるためおすすめです。模擬試験については、終了後に結果が送られてくるだけなので、後で振り返りを行いたい場合はPCのスクリーンショットやスマートフォンで問題を写真に撮っておく等をして振り返りましょう。この方法で問題を保存した場合はあくまで個人の振り返り用としてのみ使用するようにし、外部に公開する、他の人と共有するといったことは絶対にしないようにしましょう。模擬試験でできなかったサービスや分野がある場合、最後の追い込みとして補強しておきます。
試験本番について
1/16(土)午前10時に都内の某テストセンターで受験しました。
試験内容
具体的な問題内容については書くことはできないため、大まかなものを箇条書きで記載します。
- Codeシリーズは思ったほど見なかった印象。
- SAM、CloudFormation、Elastic Beanstalkは細かめなところまで出題された。
- API Gateway+Lambda+DynamoDBの鉄板構成は応用的なことを多く聞かれた。
- ECSはそこまで多くはなかった。
- SQS、SNSも割と出題された、他のサービスとの組み合わせ的な問題が多めだった。
- Step Functionsが微妙なところを突いてきた印象。
- データの暗号化系は割と多かった印象。
- IAMロールや一時的な認証情報もあった。
- Cognitoは基本的なことが中心だった。
- リファクタリングはSAAと重複する部分もあった。
AWS SAAやSOAと比較すると、実際にサービスを使ってないとわからない応用問題や問題文、選択肢の文章が長い問題が多めな印象でした。ただ、問題内容や文章が難しいと感じる問題でも、選択肢をよく見ると明らかに違う内容の選択肢があることもあり、消去法で確実に抑えていけばなんとか解けるという感じでした。
試験時間
後半の応用問題で多めに時間を使用したため、数問見直しができず終了となりました。他のAWS Associate試験と比較すると、問題文や選択肢の文章が長い問題がいくつかあったため、予想以上に時間がかかりました。
試験結果
試験結果は以下の通りです。
点数 | 883点 |
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結果 | 合格 |
AWS Developer Associateの合格点は720点以上のため、そこそこ余裕を持った点数でした。AWSの認定試験では、試験終了後のアンケートが終わった後に合格もしくは不合格が表示されます。詳細な点数については、試験終了後の5営業日以内にメールが届きますので、そちらが届きましたらスコアレポートをダウンロードできるようになります。
まとめ
全体的な感想としては、AWS Associate試験の中で一番やりにくい試験だったかなと思いました。特にAWSのサービスだけでなく、ビルドやデプロイ、CI/CD、サーバーレス等の知識も求められるため、開発に携わっていないと若干とっつきにくいところがあります。もし、前提知識で躓く場合は、試験勉強の前に前提知識の部分を軽く勉強しておくとスムーズに進むかと思います。管理人はAWSベースの開発経験も開発知識もほとんど無い状態ですが、一つ一つのサービスを理解し手を動かしながら理解することで、無事合格することができました。
これからAWS Developer Associateを受験する人の参考となり合格していただければ幸いです。